2/3創業の日 |
毎年の事で、当然巡ってくる一茶庵創業の日。
東京新宿で小さな店から祖父が出発した日です。
修行もきちんとせずに、いきなり商売を始めて自分なりの試行錯誤、
そして「師客」との出会い。
色々な巡り合わせで、暖簾の確立とそばの技術の近代化に挑んだ功績は
後年評価されるに至ります。
しかし、最初は自分でも書いていたように技術の無い「まずい」そば屋からの出発でした。
後に「蕎聖」などと呼ばれる事は想像だにしていなかった事でしょう。
私も年を経るごとに、21歳で「日本一のそば屋になる」と言って、
始めたある種無鉄砲ともいえる思い切りの良さと、度胸に敬服します。
今、私がこうした仕事が出来るのも、元をたどれば祖父の決意のお陰です。
そして、今や全国に広がったお弟子さん、出身者の方のそば屋としての人生があるのも、
祖父の出発に帰依するものです。
人間の「決意」と「意欲」が大きな物を生み出す事を改めて感じさせてくれる日です。