西神田一茶庵-生まれ育った店・家 |
もう古い写真や掲載された本しか残っていないので、写真が不鮮明で
恐縮です。
東京神田にあった、私の父-片倉英晴が経営していた一茶庵です。
昭和36年の初頭に開業しました。
お店が1.2階、その上が住居と言う、その時代の典型的な職住一致の
お店でした。
ここで、沢山の修行者が巣立ち、今ではかなり有名なお店の店主になられた
方も多くいます。
ただ、子供の頃は、この「職住一致」がとても嫌でした。
今で言うプライバシーなどと言う物は、一切なく、食事も従業員たちと一緒、
全てがお店を中心に動いていました。
父のそば打ちを、「面白いな」と子供心に思いながら眺めていた事、学校から
帰っても、お店はごった返していましたから、外へまた遊びに行くか、
調理場の仕事を眺めていました。
勿論、小学校後半くらいから手伝える事はしていました。
嫌で仕方がなかった生活が、今の仕事に結局は結びついています。
商売のある生活が、知らず知らずのうちに身についていたのでしょう。
お店、と言うことには今でも何の違和感もありません。
ただ、時代は変わり今はお店にも「通勤」するケースも多くなりました。
ある方と話していて、こうした「職住一致」が今では貴重な体験だったのか、
と振り返って実感します。