「教える」ことのちょっとした事 |
ある有名なスポーツ選手の言葉です。
「コーチから毎日同じ注意を受けた。そのときはうるさいと感じたが、それが
コーチのいないときにも意識するきっかけになり、感謝している」
「褒められ続けて、もしかしたら私は行けるかも・・、と感じて大きく成長できた」
全く同感で、これは私も昔父が教室で教える様子を見ていて、感じた事と共通します。
前者は、「人は1回注意を受けたり、聞いただけでは覚えない」と言うことです。
失礼な言い方かもしれませんが、個人差はあれど1回聞いてしっかり覚える、というのは
先ずありません。
そば打ちでも同じで、繰り返し、繰り返し、同じ事を指摘する事で、ようやくその人の
意識の中に、「自覚」が生まれます。
後者は、むやみやたらと言うことではありませんが、単純な事ですが「人は褒められれば
気分は良くなる」という事です。
厳しくスパルタ式に、教える事はある意味簡単ですが、教わる側は萎縮して覚えるどころでは
無くなります。
褒めてから、直すべき所を指摘すれば、素直に大抵の方は受け入れてくれます。
私も程度の差はありますが、この二つはいつも意識するようにしています。
若い頃は、店で弟子と接する様子と余りに違う父の姿に驚いたものです。
父は店では、まず「褒める」と言う事はしなかったものです。
ただ、これは何年も「修行」する際にはまた意味合いが違うので当然と言えば、当然です。
「教える」事はそう単純ではありません。
根気よく、その人の性格等も考慮しながら対処する事が大切だと思います。