お店造り-そば屋の空気感 |
昨日は、猛烈な暑さの中、午後から元町店で取材をうけました。
某そば専門誌です。
テーマは「そば屋の店造り」。
私は、建築家でもデザイナーでもありません。
ただ、こうして長くそば教室を運営していると、そば屋開業に数多く関わり、
必然的にそば屋の店造りに関わる機会も多いのは事実です。
また、教室でも折々専門家の方の力も借りながら「お店造り」の重要性については
お話してきているつもりです。
昨日話した内容としては、店の空気感はそばの味わい、演出に大きな影響があること。
店主の店に対する考え方がしっかりしていないと、どんなにそばが良くても
その良さが生きてこない事。
等々、とりとめも無くインタビュー形式でお話しました。
また、「そば屋の空間を楽しむ」という他の業種に無い楽しみ方がある=そば屋の店造り
はおろそかには出来ない事、も特徴だと思います。
よく、食事と食文化と言う話をします。
「そば」を食文化のレベルに引き上げたのが、祖父-片倉康雄の功績とも言われます。
食事は単に空腹を満たす為の行為。食文化は食事に伴う時間、空間、
コミュニケーションを楽しむ、という考え方です。
その面ではお店側の「人」もある意味、その演出面での重要な要素です。
そばは、粗食です。
ただ、現代ではその素朴さがむしろ魅力を出せる時代です。
どんな物も,時代の流れと無関係では無いと思います。
高度成長の時代と、今のそばへの見方は明らかに変わってきています。
むしろ、このシンプルな「そば」という食べ物を一番引き立ててくれるお店=空間
が大事な時代になっていると言えるでしょう。
無論、お金を掛けたから良い店が出来る、と言うわけでもありません。
いかに「考えたか」、そしてお店で違和感無く、当たり前に
「良い雰囲気で美味しいなあ」と感じてくれる空間が出来たとすれば、
それが良いお店なのだと思います。
祖父や、父もお店造りにはいつも物凄い気力、情熱を掛けて臨んでいたのを思い出します。