技術習得の道筋 |
最近、このブログでもいくつか紹介しているように、首都圏のそば店を
折を見て廻っています。
勿論、教室出身店を含めてですが、その他、定評ある老舗にも、ある意味
「確認」の意味で数十年ぶりに訪ねたお店もあります。
また、いわゆる「独学」系といわれるお店にもいくつか伺っています。
こうしたお店は、その努力と工夫の成果で良いバランスを保っているお店も
あって感心することも多いのですが、中には???というお店も散見します。
そばに限らず、どの分野でもそうですが色々な系統の「良い部品」を集めても
バランスがとれません。
従って、一つの系統の技術をまずは習得することが
完成への早道であるといえるでしょう。
お店で長く修行してその店の技術を身に付ける、当方のような教室で体系立てて
技術を学ぶ、といった方法が代表的かと思います。
いずれが良い、という論はさておき、こうして技術を学んだ方は「軸」があるので、
もし「ぶれて」も修正が可能です。
しかし、最初から自己流で進むと、迷った時の「よりどころ」がないので、迷走してしまう
懸念があります。
最近、訪ねたあるお店はやはり「独学系」ということで、評判がよいので、食べに行って
見ましたが、供されたそばは短く切れていて、汁も中途半端なバランスで
???という面を多く感じてしまいました。
勿論、商売は成り立っていますから、自信をお持ちなのでしょう。
私の祖父が当方と無縁のお店については、生前言っていた
「人が一生懸命努力しているのだから、いちいち意見はしない」という
考え方は私も同感だと思っているので、特に請われない限り、
そのお店の内容について、こちらからどうこう言うことは絶対にしません。
しかし、その勉強の道筋がもう少し違っていたら、部品の寄せ集め的な中身には
なっていなかっただろうと思うと、惜しい気持ちがするのも正直なところです。