江戸ソバリエ神奈川の会 今年のそば試食会 於:鎌倉季蕎庵 |
12/3の夕方から、鎌倉季蕎庵で、江戸ソバリエ神奈川の会の会合がありました。
趣旨は、今年メンバーの皆さんが自分たちで栽培収穫したソバの試食と、1年を
締めくくる忘年会も兼ねています。
実は、今回の会場になった、鎌倉のお店もメンバーの方が店主を務められていて、
10/23に開店したばかりで、そのお祝いも込めての開催でもあります。
お店は、鎌倉駅西口からほぼ1本道で、閑静な住宅街の一角にある、住宅改装タイプの
こじんまりとした雰囲気です。
シンプルなメニュー構成ですが、地産地消をテーマに上質なものを提供されています。
また、このロケーションも落ち着いて美味しいものを頂くには最適な場所といえるでしょう。
到着すると、既にメンバーの皆さんも協力のもと、貸し切りの店内に鎌倉野菜や
地元のシラスなど、この地ならではの食材を使った料理がならんでいます。
メンバーの方々は江戸ソバリエでもありますが、主に神奈川在住の方で手打ちの
講習や、そばの栽培、そば料理の講習など多岐に渡って活動を続けられている
本当にそばが好きな面々の集まりです。
私も、潜越ながら顧問を務めさせて頂いておりますが、今までは元町の店へ行くために
夜などはこうした会合には参加できなかったのですが、ようやく気兼ねなく
出席できるようになり、とてもうれしく思っています。
皆さん、そばのこと、今回のそば栽培についてなど、話の輪が広がりあっという間に
時間が過ぎてゆきます。
合わせて、持ち寄った神奈川を中心にしたお酒も、美味しく頂きます。
そして今回のメインである、収穫して製粉したそばの試食です。
今年8月下旬に静岡県富士市で種をまき、11月上旬に収穫を終えたものです。
鹿よけのネットを張ったり、雨の中の作業を行たりとかなりのご苦労があったようです。
余談ながら皆さん手弁当で栽培等にも参加されていますが、今回できたそば粉
実質その費用が、1キロ当たり1万円以上はくだらないであろう?
大変貴重なものでもあります。
やや黒めに仕上がったそば(十割)も、この日メンバーが丹精込めて打たれたものです。
しっかりとそばの甘みも感じられ、粗目の挽き具合が食感を豊かに感じさせて
くれます。
天候不順の中、量的にはあまりたくさん収穫できなかったのですが、「品質」は
上々といえる出来栄えです。
そばの後には、店主がやはり新そばをそばがき仕立てにして小豆餡をそえて
くれたものを頂きます。
会社を定年退職された方や、本業をもちながらのこうしたそば好きな方々の
グループであり、損得抜きにこよなくそばと付き合っている姿は心底うらやましい
と思います。
私などは、商売、プロとしてそばに関わる立場ですが、皆さんの純粋な姿勢を
見るたびに、本来の「そばが好き」であることを、思い起こさせてくれることにいつも
感謝するばかりです。
またお気遣いを頂き、帰り際に貴重な「そば粉」を私も頂きくことができて
有難く思っています。
今年は秋の長雨など天候にあまり恵まれず、量的には作柄があまり芳しくなかった
この会のそば栽培ですが、来年は是非豊作になってほしいと願っています。