「こだわりバカ」(角川新書) |
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そばが表紙の本ですが、そばに関する本ではありません。
但し、冒頭部分で2軒のそば屋を比較して・・・という箇所があります。
A 厳選したそば粉を使用。こだわりの1枚を是非!
B 一年中「新そば」気分を味わいたいあなたへ。
季節で一番おいしい「玄ソバ」を取り寄せ、毎日必要なだけ皮を
むき挽いています。
さて、どちらのそば屋を選ぶでしょう?
といっった例が示されます。
筆者によれば、Bを選ぶ方が多いであろうと予測しています。
「こだわり」という言葉は今や「妖怪」だと言います。
どこもかしこも「こだわり」だらけの日本で、いまさらあえて使っても効果がなく
いわば「空気コピー」。
書かれていても気づかない、空気のような宣伝文句になってしまっている、と
述べています。
確かに「こだわり」という言葉は、飲食店や食品には今やつきものともいえる
常套句になってしまいました。
そしてこの本では
「いい商品だから売れるわけではない」
「いい商品だと思われた商品が売れるのです」と述べています。
また
「おいしい料理だから売れるわけではない」
「おいしそうと思われた料理が売れるのです」とも断じています。
これは結構真理をついていると思います。
興味を持ってくれなければ、「売り上げ」には結びつかないからです。
私も「こだわり」という言葉はちょっと食傷気味です。
顧客に興味を持ってもらうためにお店では店頭、あるいはネット等で
情報を発して行く時代です。
そのアピール力が決め手になってきます。
この著者のシリーズをずっと読んでいますが、この本ではこの導入部分の
「こだわりそば屋」の話から企業スローガンの話まで、多岐に渡って
宣伝力の事が語られています。
より具体的で、イメージしやすい言葉を使ってアピールすることの大切さは、
我々もしっかりと知っておきたいものです。