江戸時代を知る本 2冊 |
タイトル通り、幕末に江戸へ単身赴任していた紀州和歌山藩・下級武士の
生活記です。
この中で、江戸の町でそばを食べた記録が数多く記されています。
万延元年11月から1年間で31回もそばを食し、そのうち14回は酒も飲んでいる
という記録があるそうです。
また、普段は盛りそばやかけそば=16文を食べていたようですが、時に少し贅沢を
して天ぷらそば=64文 五目そば=100文 そば御膳=80文なども食べていたようです。
このように、日常的にそばが江戸の人々の生活になじんでいたことが伺えます。
勿論、そば以外にも興味深い江戸時代の生活状況が細かく記されています。
こちらは同様に江戸時代の生活事情を綴ったものですが、色々なシーンでの「物価」
を切り口に語っている本です。
ちなみに、前述のように普通のもりそばやかけそば=16文(約320円)
*現代の物価に大よそ換算
*二八=十六文といういわれの経緯も解説があります。
また、おかめ・しっぽく=24文(480円)天ぷらやたまごとじが32文(640円)
この本のタイトルにもあるように、この時代に卵は貴重で茹で卵は1個20文(400円)
だったようです。
比較で言えば握り寿司(一貫)が8文(160円)マグロが一尾200文(4000円)
桜餅が4文(80円)鰻の蒲焼が1皿200文(4000円)等々です。
ちなみにこうした食物以外にも床屋代が28文(560円)煙草が10文(200円)
寺子屋の月謝が200文(4000円)旅籠の宿代が150-300文(3000-6000円)
江戸から伊勢参りの費用が2両+1400文(28万4000円)等々、なかなか面白い
内容です。
「そば」はこの二つ本でいずれも触れているように、江戸の生活の中で欠かせない
物だったことが良く理解できます。
時にこんな切り口からそばについて知ることも面白いものです。