手に付く道具(道具について①麺棒) |
といった質問を受けます。
開業を近々に控えている方は、営業用の一式を揃える事が必要ですが趣味や開業が
目標だが、まだしばらく時間がある、といった場合は手に付く道具から揃えて下さい、と
言うようにしています。
手に付く道具-これは自分で動かす物、即ち麺棒、駒板、包丁の3点です。
道具は蕎麦に限らず、何でもそうですが自分の手になじむまで多少時間が掛かります。
その意味でもこの3つを、自分が蕎麦を打つ目的(開業のための練習なのか、あくまで趣味なのか)そして、打つ蕎麦の量(1キロ、500グラム、2キロ等々)を勘案して決めていく事です。
麺棒について
例えば趣味で500グラムを打つことを目的とするならば、麺棒は原則3本必要ですが延棒
が約70センチくらいの物が1本、巻き棒約90センチくらいの物が2本で大丈夫です。
1キロ以上打っていこうとするならば、約80センチの延し棒1本、約1メートルの巻き棒2本が必要です。(約~というのは寸法の取り方が尺、寸なのでこの様な説明になります。正確には約80センチというのは2尺6寸-79センチ位になります)
この3本を揃えておくと、ほぼ営業にも対応できます。
注意すべきはこの長さと共に径(太さ)です。
特に常に動かす延棒は、九分丸といわれる27ミリがほぼ万人になじむ太さです。
結構この点に無頓着に作られている麺棒も多いようです。
巻き棒は一般的には延棒よりも多少太い物(約30ミリ)が使いやすいといえるでしょう。
(長さも120センチ位の巻き棒が多く出回っているようですが、取り回しに苦労します)
材質は端的に言えば、軽くて反りの無いものということになりますので、桧やヒバなどは
適しています。
材木からのとり方もノウハウがありますが、長くなりますのでまた機会をみて記させていただきます。
松や一位(アララギ)も珍重されますが、良い材料が少ない事が欠点です。
最近は黒壇などの重い材料で作られている物も多いようですが、動かす際に自分の体に負担が掛からない事が見栄えよりも大切です。
手入れは使い始めの際は荏油や胡桃油等を浸した布で磨き、乾拭きを繰り返す事です。
なじんで来た後は、普通に濡れ拭きと乾拭きをきちんと使用後にしておく事です。
こびりついたそば等は爪や刃物等でこすらず、丁寧に根気よく拭き取ることです。
いずれにせよ、自分の目的、予算にあった物を選び根気よく手入れをして長く使っていく事です。