世相を反映して |
勿論、その後有名店として活躍されたり、そば打ちの名人として今も活動を続けている方も
多く、卒業生のその活躍ぶりは誇らしい物で、かつ嬉しい物です。
又、その歴史というほどではありませんが、道筋を省みると、その時代、時代の世相を
反映しています。
最初の開講時は高度成長の末期で、「脱サラ」という言葉が出始め、会社勤めからの
転機として受講される方が多かったようです。
バブル時は不動産業者さんが副業として、考えて来られたり、一連のゼネコンが問題に
なった時期は建設関係の方がやたら多かったのを覚えています。
時のニュースで、不祥事を起こして破綻に追い込まれた企業を退職された方が、
見えられた事もあります。
そして、今未曾有の不況といわれる中、ごく普通にリタイヤ後に備えてこられる方、脱サラの方も多いですが転業、そしていわゆるリストラや、派遣職だった方からも問い合わせや、
見学のご希望、そして実際に受講される方が入るようになってきました。
勿論、そば屋がベストかどうかはその人の人生設計ににもよりますが、やはり昔から言われていますが、「手に職をつけて」進路を探ろうという、考え方もあるようです。
今は、先日も書いたように、開業のコストは色々な面で下がっています。
商売自体を軽んじてはいけませんが、コツコツと仕事を続ける事ができる方には向く
業種といえるでしょう。
これまでもそうだったように、教室の受講が良い意味での人生の転機になる事を
願って、私達も毎日の授業に臨みたいと思っています。
もうベテランの店主さんが、以前言っていた事を思い出します。
「会社が倒産して、そばと出会わなかったら、自分はどうなっていたのだろう」
ピンチはチャンスの裏返しでもあると思います。
こういう時期に、どういう選択をするか、熟慮は必要ですから、その上で蕎麦に限らず
自分にとってベストの進路を考えてほしい物です。