打ち場の設計 |
昨日は、プロコースで開店までの一連の流れの講義をしました。
多岐にわたって、毎回時間が足りないくらいなのですが、その中で店舗の設計の話も多少
織り込みます。
勿論、専門家による「店作り」の講義は別途あるのですが、やはり実際に店を運営
している立場や、使い勝手を解説しているつもりです。
その中で、「打ち場」の設計のポイントについてもお話しています。
これは、相当そば屋を設計した建築家でも、なかなか細かなポイントや注意点、
道具の収納設備の意匠などは、知らない方も多いようです。
ここは、手打ちそば屋に育ち、店の改築や、改装、勿論出店など、何度も打ち場を
作る、改造する経緯を見てきたからこそ、身につけられたものだと自負しています。
工事的には何という事もない事が、多いのですが、例えば、麺棒掛けや、駒板、包丁
まな板などの使い勝手がよく見栄えも良い収納の仕方は?と尋ねて即答できる建築家が
いれば、相当のものだと思います。
残念ながら、そこまでの方に出会った経験はありません。
木鉢台なども、一般に市販されているものは、一見してそばを打ったことがない人が設計した
事が分かります。
また、空調などの設置も、注意点があり、これを守らないと、空調機器の
故障の原因になります。
保健所の基準を満たす設計基準もあります。
いずれにせよ、こうした諸々は教室でいわゆる「ノウハウ」としてお話しているつもりです。
手打ちそば屋のお店作りの大切な要素でもあり、盲点の一つです。
*写真は教室の打ち場ですから、店の打ち場とはまた意味合いが違う
目的で設計しています。