お店の意味-食事の提供プラスアルファー |
先日、東北の被災地で簡易な形で「商店街」を開いたというニュースを見ました。
トレーラーハウスを利用したお店は簡素な物ですが、多くの方が訪れて
いるのを見ると、一部でも活気が戻りつつあるように感じます。
その中で、ある方が「飲食店は街の華だから」という言葉がありました。
元々飲食のプロも働いているようですが、そうでない方も多いようです。
嬉しい言葉だと思います。第1儀的には食事を提供する事が飲食店の意義ですが
やはり食事を通じてコミュニケーションを図る、この事は重要だと思います。
様々な儀式で、おめでたい時も、そうでない時も「食事」は付いて回ります。
これを如何に印象深いものにするかは、味や料理のレベルが保たれている事は
大前提ですが、お店の空気や居心地、提供する側の態度などで、随分変わります。
蕎麦も何回も繰り返しているように、技術が優れていればそれだけで良いわけでは
ありません。
そのお店で「食べる」という事が価値を持たないと、評価は得られず、顧客は定着しません。
つい最近も、プロコース受講のご相談がありました。
受講後は技術のレベルアップの為に「修行」が必要ではないのか?というものです。
現場を知る、見る事は必要でしょう。但し、ご自身のお店を如何に魅力あるものにしていくか
総合的な努力が必要です。
むしろ、そちらへの時間や労力の傾注、またはセンスを生かすといえば良いのでしょうか。
「華」の魅力は一言では言えないのと同じです。
風合いであり、香りであり、色合いなど様々な物が複合して、魅力をたたえています。
そんな「お店」の原点を知る上でも、簡素ながら、皆さんが前向きに運営している様子の
東北の仮設店舗はそれを象徴しているように思います。
シンプルな「華」でも今被災地で咲いた事に意義があるのだと思います。
翻って、自分の置かれた立場で開店、そしてお店の立場を再認識するとすれば、何が大事か
を考えて見るべきでしょう。