蘇番経優曇経 |
昭和12年10月祖父-片倉康雄が私家版として上梓しました。
半世紀後の昭和59年に復刻版が作られました。
装丁-友蕎子(片倉康雄)和綴じの凝った造りの本です。
表紙は正倉院宝物の古代裂を復元した布地を使用、中も金箔押しの
経典です。
当然、漢字のみで綴られていて祖父でさえ読み解くのが生涯の課題
だったそうです。
内容はそばうどんの効用や、仏界、人間界の因縁などを仏典用語で
綴ったもので、祖父が高岸拓川氏(和漢典籍に通じた文筆家で、祖父が
多々教えを頂いた方)に依頼して、各派諸管長の教えも元に纏められた
経典です。
祖父が編纂した物の他にはやはりそば研究家-新島繁氏によって、
復刻版がやはり昭和53年に限定200部が発行されています。
この元は、高岸拓川氏の友人から譲り受けた初版のゲラ刷りだったとのことです。
昨日、プロコースの出身者から、お尋ねを受けて久々に保管している
ところから確認をしてみました。
そば研究をする方にとっては、大変貴重な文献ですが、読み解くには
かなりの努力が必要でしょう。
ただ、こうした物にまで興味を持って頂けるのは、大変嬉しく思います。