白雪-変わり蕎麦色々 |
一茶庵では「更科そば」を「白雪」と称しています。
この製粉は祖父の著書「片倉康雄 手打ちそばの技術」(旭屋出版)でもその
手間と難しさが述べられていますが、蕎麦にするのも並そば-せいろとは違い
やはり一手間と、技術が求められます。
ただ、その美しさと様々な変わりそばの色合いや風合いは、シンプルな「そば」
だけでこんなに幅が広がるのかという、驚きをもつものです。
この春は以前も書いたように「桜きり」が好評です。
短い間のいわば期間限定の変わりそばですが、昨日なども元町の一茶庵では
予約で取りおきを依頼されるなど、人気は高いようです。
茶そば、柚子きり、芥子きり、揚げれば変わりそばは色々あります。
季節性を重視した物、年間通じて出来るもの、またそばそのものとして向くもの
そば料理に向くものなど、その用途も様々です。
そして「白雪」そのものも、淡い雪の様な滑らかさと端正な姿は美しいものです。
そばを「料理」に高めたのが祖父の功績とも言われています。
白雪、そして変わりそばはその際たる物でしょう。
勿論、これらは昔からあるものですが、提供する事がお店やそばに携わる者にとって
大事な仕事のひとつと言えるでしょう。
今年はいつにもまして、桜きりについて取り組みたいと言う方が多く質問も多く
受けました。
そろそろ関東では、桜の花も満開を迎え、これから若葉の季節です。
季節の移ろいに応じて、変わりそばを提供することはお店の側にとっても、
遣り甲斐と共に楽しいことの一つです。