東京の「喫茶店」 ..大坊珈琲店etc |
「大坊珈琲店」の事は以前も書きました。
昨年で閉店した青山の老舗珈琲専門店でした。
私も、かなり前から度々訪ねた好きなお店でした。
このお店の店主-大坊氏のお店への想いや、関わりの深かった来店客のそれぞれの
お店への想い、写真などをまとめた本が出版されました。
お店へ行ったことがある経験、お店への想いがなければ読んでみても感銘は
ある意味ないかも知れません。
しかし、独特の空間に入り、店主の珈琲を淹れる姿などを見ていると、一幅の
絵画を鑑賞しているような感覚にとらわれたものです。
私と同じような想いを持った人には「至福の本」とも言えます。
思えば、東京には数々の個性の強い「喫茶店」がありました。
生まれ育ったのが、東京の神田で、「エリカ」「さぼうる」「ラドリオ」「ミロンガ」
といった今や伝説とも言われるお店にいつの頃からか、
出入りするようになっていました。
最近では、「喫茶店」よりも「コーヒ―チエーン店」が圧倒的に多くなり、お店を
訪れる面白さ、楽しみが減ってしまったように思います。
「街」と調和のとれた、お店の個性は貴重なものだったと、改めて感じます。
今、「蕎麦」ということを仕事にしながらも、「店の設え」がいつも頭にあるのは
この青山「大坊珈琲店」や神田の数々の個性的なお店の「原風景」が強烈だった
からかもしれません。