「修行」を決めた・・・ |
今期のプロコースも三週目を終えました。
順調に進行しており、各地から参加されている方々もそば打ちを含めて、技術と
知識を習得しつつあります。
今回のメンバーは40代から60代とここ最近では、やや年齢層が上の方々です。
従って、開業へ向けてのプランニングも具体的な方が多いのが特徴です。
自宅改装や、自己所有の物件を使ったりと、思い思いの計画をお持ちです。
今月の講習を終えると、地元に戻って開業へ向けての準備に入る方が多いのですが
おひとり、こちら関東に残って「修行」に入る方がいらっしゃいます。
50代半ばの方で、やはり地元で予定している物件もお持ちです。
開業準備にも時間がかかりますから、普通に戻っていても、お店がオープンできるのは
今年の終わりくらいになるでしょう。
この方の場合、修行先の店主と1年の約束でお店に入るそうですから、開店は
再来年ということになるでしょう。
50代ということを鑑みれば、1年という「時間」は貴重です。
この時間を使って、大いなるプラスになるものを会得できれば、無駄とは言えないでしょう。
しかし、いつも言っているように今は、技術だけがすべての時代ではありません。
技術の土台は勿論必要ですが、店づくりへの勉強や、コンセプトの熟成など
自分のお店の存在価値をどう考えるかが肝要です。
お店の現場は時間の流れが非常に速いのが常です。
日々の仕事を覚えながら、勉強するには環境や体を慣らす時間が必要です。
若ければ、こうした順応も早いのが普通です。
しかし、年齢と共にその速度は当然落ちます。
お店での修行への考え方はそうした年齢での変化を踏まえたうえで臨むべきでしょう。
また、新たな人間関係の構築の必要もあります。
比較的高年齢の方の修行を私がお勧めしないのは、そうしたある意味新しい「ストレス」
を最小限にしてほしい意味もあります。
修行先の店主は、当方の教室で学ぶことを前提に受け入れを承諾されたそうです。
人の進む道は様々です。
この方が選択した道が正しい方向へ向かうためには、ご本人の頑張り次第でしょう。
ただ、50代半ばになっても、こうしたある種情熱的な行動がとれる、ということも
一概に否定するべきでは無いことは私も理解しています。
名店での修行を決めたこの方が将来、素晴らしいお店を開けることを願っています。