「モノ」が多いお店 |
先日訪ねたあるお店でのこと・・・。
こちらは、開業した時から知っているお店ですが、数年ぶりに行ってみると
やたらとモノが多い状態になっていました。
できた時にはシンプルで非常に良いセンスのお店だったのが、いたるところに
飾りモノ、置きモノその他多数が店内に点在しています。
ご店主によれば、来店客を飽きさせないため、楽しませるため、とのこと。
店の外もメインの看板以外にメニュー書きその他、第3者から見れば
何の為に置いているのかわからないようなモノも目につきます。
全体的には、掃除もまずまず行き届き、上記のイラストのような「汚い」「乱雑」
という印象はないのですが、かなりモノが多すぎて、落ち着かない感じがします。
お店の装飾やインテリア、エクステリアの装飾、掲示等はなかなか難しいものです。
「シンプル」は良いのですが、あまりにも素っ気なさすぎると、空虚、寒々しい、
という印象になってしまいます。
但し、多すぎるとこのお店のように落ち着きのない、目障り、という感じにもなります。
何を置くか、置く目的は、といった事をしっかり決めたうえで配置しないと、ちぐはぐな
空間になってしまいます。
よく、開店記念にもらった置物等を店に飾っているケースも見ますが、どう見ても
バランスやお店の空間を壊してしまうようなモノを見ることもあります。
「義理」よりもお店のトータルイメージが大切ですから、ここはしっかりと見極めた
上で判断したいものです。
また、「思い付き」で買ってきたモノを置く、ということも極力やめた方が良いでしょう。
じっくりと考えて、どうしても必要性を感じたら、吟味選定をしたうえで配置するべきでしょう。
店は舞台装置と考えるべきで、そこに配置するモノはすべて店という舞台を演出する
効果があるものに限るべきでしょう。
私が若い頃に経験した映画や演劇のセット建込みや小道具の配置は、
それこそ神経を使うものです。
必然性のないモノを置く場所はありません。
いくつもある倉庫の中から、合うモノを探してあるいは新品を手配していく事を
実際に経験しました。
そんな観点でいえば、どこまで考え抜いてモノを置くのか、あるいは置かないのか
は店という舞台づくりの中で、非常に重要なポイントといえるでしょう。