にしんそば |
身欠きニシンを2日程度水で浸し、柔らかくなるまで甘辛く煮た具をそばと合わせた
種物です。
煮上がったニシンを丼の底において、その上にそばを盛って、汁を張るスタイルが
多いものです。
明治初頭に京都の「松葉」が考案とされていますが、北陸から運ばれてきた
ニシンなどを生かした種物です。
私もずいぶん前ですが、京都の「松葉」で元祖ニシンそばを頂いたことがあります。
旬は10-12月頃とされています。
ニシンの卵-数の子を獲る意味では産卵期の春が旬ですが、魚自体は今頃が
美味しくなります。
昔は「春告魚」として北海道に大群が押し寄せたものですが、今では激減し、
ニシンも数の子も輸入が多いのが実際です。
そば屋でも、今は既製品の「ニシンの棒煮」を使っているところが多いようです。
冒頭で書いたように、仕込みに時間と手間がかかるので、なかなか自前で
全て行うお店は少ないようです。
従って、逆に通年扱うお店も多いものです。
定番種物ですが、そうした既製品を使うお店が多いので、意外と味が同じような
モノが多いように感じます。
写真の上は老舗系、下はいわゆる低価格店ですが、そばは確かに違いはあるものの
ニシン自体はあまり違わないように感じました。
味はともかく、時に思い出したように食べたくなる種物です。