2018年 07月 02日
そば 「たなか」 6/30をもって閉店・・・ |
東京西東京市ひばりが丘の「たなか」が6/30をもって、
「閉店」ということです。
この地でも、住宅を使ったお店として約20年ほど営業されましたが、
それ以前、昭和の時代には練馬の環7沿いの大型店を営業されて、
そばや天ぷらなどの認識を変えさせる、今や「伝説」のお店を作り上げた
ご店主―田中國安氏のお店です。
今年93歳になられる田中さんは、言わずと知れたそば業界の「レジェンド」
です。
昭和33年に練馬の地にそば屋を開業されてから、繁盛を究めていて我々も
向学のために幾度かお店には立ち寄らせて頂きました。
弟子筋には、竹やぶの阿部氏や玄蕎麦野中の野中氏等々そうそうたる方々が
巣立っています。
私も、近年ご縁が出来てお話しする機会を持たせて頂きました。
勿論、それ以前にも現在のひばりが丘のお店へは数回伺っています。
偶然ですが、先日まで教室で講義していただいていた建築家は当方の
元町のお店も作って頂きましたが、このひばりが丘のお店も設計されて
います。
特にここ最近は、田中さんから「人」の依頼を受けることも多く、
お役に立てた時もあり立てなかった時もあり、私としては非常に申し訳ない
気持ちを持ち続けていました。
田中さんから見れば、私のレベルでは若僧ですがご丁寧なお話しぶりに
いつも感心させられていました。
現在のお店もそうですが、田中さんご自身もモダンでお洒落な雰囲気は
粋でもあり、見習うべき存在だと思っています。
ひばりが丘のお店では、絞り込まれたメニューですが絶品のかけそばを
含めて上質なレベルのそばや料理を、リーズナブルな価格で提供されて
いました。
昭和時代の練馬の高級路線とは対極のコンセプトでしたが、酒を提供しない
ことや素晴らしい器使いなど、一人の人間としての田中さんの集大成的な
お店だったと私は感じているところです。
田中さんには、今後もこの業界で指導的な立場でいて頂けたら、と思っています。
by issaan2006
| 2018-07-02 12:21
| そば