手に付く道具(③包丁) |
趣味でも、プロでも幾つか要点はありますが一つはバランスが良い事。
これは手にとって見て重さを意識しない位のものが理想的です。
よく言われるように、手元に重心があり先端を薄く仕上げる鍛造品は技術的にも
難しいですが、使い勝手は大変良い物です。
また、厚みも厚すぎると蕎麦を切り分ける際に支障になってしまいます。
1ミリの蕎麦、1.2ミリの蕎麦、2ミリの蕎麦を打ち分ける際に肉厚が厚すぎれば
そんな事も出来ません。
以前は1キロ以上ある重たい物も多かったようですが、最近は私共の提唱している意味合いも
理解されてきたのか、軽めの物が増えてきたようです。
刃渡りはプロであれば33センチ-1尺1寸程度はほしいところですが、趣味であれば1尺-30センチ程度で充分です。
素材は耐久性などではきちんと作られた鍛造品が良いですが、時折打つ程度であればステンレスでも大丈夫です。
よく、鋼の種類で良し悪し等を言う方もいますが基本的には焼成温度の違いで青紙鋼が良い、白紙鋼が良いとは一概には言えません。
これこそ、昔から日本刀にも通じる鍛冶の技術の優劣がポイントになります。
また、研ぎは良い物であればそう頻繁に研ぐ事は無く、むしろきちんとした研ぎ方をしないと
逆に痛めてしまう事にもなりますので、注意が必要です。
日頃は使い終わった後、そばや粉を拭い取り、水気をきちんと拭き取っておく事です。
他の道具同様、良い物は手入れ次第で一生使い続ける事ができます。